泣きっ面にハチのフジテレビ またもやBPO問題勃発
フジテレビが全日の週間視聴率(1月28日~2月3日)でTBSにも抜かれ4位に転落。局内がお通夜状態なのは、日刊ゲンダイ本紙既報どおりだ。
満身創痍(そうい)のフジは、4月の番組改編で老舗ニュース番組のキャスターのクビを切ったりするなど、巻き返しを図るが、内部では厄介な火種も抱えている。放送倫理・番組向上機構(BPO)から「やらせ疑惑」と目をつけられている番組があるのだ。
その番組とは先月5日、19時から2時間特番で放送された「全日本温泉宿アワード2013」。収録と生放送を組み合わせたスタイルで、番組前半に複数の温泉ツウの識者が登場。おのおのが薦める温泉宿のVTRが流れ、それを参考に視聴者からの電話投票で日本一の温泉宿を決定するという内容だった。
ところが、その識者らの薦める宿が嘘八百。番組制作に関わったという出演者がスタッフ側から“行ったことのない宿を推薦するよう依頼された”と一部週刊誌で証言している。
「すでにフジはBPOから説明要請を受けています。近日中にはBPOの放送倫理検証委員会メンバーの手元に、番組のDVDが配布される予定。その後、委員会で討議され、アウトの判定になれば、審議入りも考えられます」(民放キー局関係者)
この状況に、フジの上層部は恐々としているとか。それもそのはずだ。
4日開かれるBPOの「放送と青少年に関する委員会」の年次報告会で、過激なエロ演出が問題になったフジ系の昼の連続ドラマ「幸せの時間」に対し、異例の同委員長談話が発表されるからだ。系列局の東海テレビが制作したとはいえ、こうも立て続けでは……。
小手先の改編で乗り切れる難局ではなさそうだ。
(日刊ゲンダイ2013年3月4日掲載)
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