悪意に満ちた朝日新聞の報道。自社は派遣会社で金儲け。

oyajiseek

2014年07月23日 11:42

朝日新聞は自らの100%子会社として朝日新聞本社内に人材派遣会社・朝日新聞総合サービス(AGS)を持つ。同社は朝日新聞社及び関連会社の他、多くの企業に派遣社員の派遣業務を行っている。派遣先企業に向けたWebサイトでは、自社の派遣社員について「高いスキルと適性を持つスタッフが揃っている」とその能力の高さが謳われている。

戦略的なビジネスは有能な人材確保から:朝日新聞総合サービスは朝日新聞グループ唯一の人材派遣会社として朝日新聞に即戦力となる有能な人材を派遣して参りました。その豊かな経験と実績を生かし、「人材」をお求めの企業のみなさまの「信頼できるパートナー」として、貴社の人材戦略の一端をお手伝いいたします。

出典:朝日新聞総合サービス(AGS)

一方、ベネッセ情報流出に際し、朝日新聞社の河原田慎一記者は以下のような記事を掲載している。

勧誘も謝罪も「外注」で――。利用者の個人情報が大量流出した通信教育大手ベネッセホールディングス(HD)は、利用客らの問い合わせなどに応じる電話の窓口業務を派遣会社に委託した。社員だけでは対応しきれないためだが、謝罪業務を委託する企業姿勢を疑問視する声もある。

出典:ベネッセ情報流出、謝罪を「外注」 派遣会社が電話対応

かつて私は非常に高い職業意識を持った優秀な派遣社員の方々とコールセンター関連の仕事をしたことがある。彼ら(彼女ら)の業務サポートによって、何度も助けられたことがある。全員が全員とは言わないが、専門職ならではのプロ意識の高い多くの派遣社員の方たちと出会ってきた。

河原田記者の記事は、「派遣社員」に関して最後に、藤江俊彦千葉商科大教授のコメントとして、以下のように締め括られている。

人件費削減のために使っている派遣社員に、人手が足りないから会社としての謝罪窓口をやらせるのでは、信頼性に疑問を持たれかねない。OBを雇用するとか、こういう事態に対応できるようにしておくのも企業のリスク管理だ。利用者側は情報流出への対策を求めており、対応の優先順位を間違えていないか、もう一度分析する必要がある。

出典:ベネッセ情報流出、謝罪を「外注」 派遣会社が電話対応

ベネッセの個人情報流出に関して批判を行うことは記者として自由である。ところで、この河原田記者は、自らが勤務する朝日新聞社が、100%子会社として人材派遣会社を経営していることを知っているのだろうか?さらに朝日新聞社が様々な業務を行う過程で、多くの「外注」を活用している事実をご存じだろうか?

仮に、朝日新聞総合サービスが謳うように「豊かな経験と実績」「信頼できるパートナー」であれば、顧客対応という専門的な業務を外部委託し派遣社員に任せることに具体的にどのような問題があるというのか?仮に問題が「ある」というのであれば、まずは朝日新聞社自体が、派遣社員への業務の外注や、100%子会社による人材派遣ビジネスをやめるべきではないか。

もっとも、現に朝日新聞社の業務は、多くの派遣社員、フリーカメラマン、ライター、その他、編集、取材、校正、Web運用担当など、報道の基幹部分に関わる重要な仕事の多くを「外注」しているからこそ成り立っていけているのではないか?

仮に記者自身が、自社が100%子会社として人材派遣会社を経営していることを知っていながら、この記事を書いたとする。それならば、本記事の締めの藤江教授のコメントにあるように、朝日新聞は「人件費削減のため」の派遣社員の派遣事業を100%子会社に行わせているのか?「専門性」の高さではなく、単に「人件費削減」を目的とした派遣社員げの「外注」を自社内でも行っているのだろうか?

とかく今回の流出事件においては「派遣社員」であること自体が問題かのように報道されることがある。「派遣社員」でも立派な専門知識と責任感を持ち、社員と同様、あるいはそれ以上に真摯に業務にあたっている人は多い(むしろ大半がそういう人たちである。)

一方で、社員であっても記者であっても犯罪を犯す者は犯す。そんな当たり前のことへの理解と配慮がなされずに、「派遣社員」に関するこのような記事を掲載することは、私は大きな間違いだと思っている。

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